第2回日本臨床内科医学会印象記
会長 大島誠一
第2回日本臨床内科医学会が平成18年9月16、17、18日の3日間にわたって東京プリンスホテルならびに新装なった
超高層の同パークタワーで開催された。学会長は東京内科医会会長の望月 紘一先生。
16日の午後は理事会と代議員会が開催され、埼玉県内科医会からは、大島、島津、川野、川口の徳竹が出席した。
松本は着席と同時に、緊急電話によりすぐ帰宅。安田、畑は所用で欠席。
17日、初日の特別講演1.自治医大学長の高久 史磨先生の「医学の進歩と生命倫理」では、21世紀にはいって、
進化し続ける医学の主要な分野の展望を簡潔に、判りやすく話をされた。先生が取りあげられたのは
1.高度先進医療2.高齢化社会3.国民の医療に対する要求の増大4.医療経済であった。
1.の高度先進医療としてとりあげたのは、臓器移植、生殖医療、遺伝子診断,再生医療であり、生命倫理との関連に
ついて平易かつ懇切丁寧なお話であった。
2.の特別講演は首都大学学長、東北大学名誉教授の西沢潤一先生で、先生のご講演は私は始めての経験であった。
まっすぐに伸びた背筋と朗々たる音声は77才と言う年齢を感じさせず、明快な講演であった。
科学はアジアでが黎明であった。中近東のアラビアや中国で芽生え育ち、ギリシャ、ローマに伝わり、いわゆる
ヨーロッパ文明の基礎が築かれたのであるが、人類文化の発祥の地中近東、アジアの人々はもっと自信を持って
21世紀を前進していくようにという話として私は受け取った。大変に含蓄に富む内容で、日本人、ひいてはアジアの
人々の知的活躍を多いに鼓舞して頂いたものと感じた次第。日本臨床内科医学会の特別講演にふさわしい人選で
あった事は間違いない。
午後の演題では、「実地医家に必要なサプリメントの知識」京都府立大の吉川 敏一教授の話が大変に興味深かった。
先生のご専門である活性酸素とフリーラヂカルおよび抗酸化化合物の生化学的な面からの話が中心で、
我々開業医に取って大変に有益で日々の診療に即役立つ内容の濃い、かつ患者にサプリメントの説明をしていく上で
即、説得力ある明快で有益な話でした。
引続いて「各種疾患ガイドラインと日常臨床」と第して1.高血圧、2.肥満と内蔵脂肪蓄積3.糖尿病、4.高脂血症に
ついて改めて4人の専門家からの詳しい解説があった。
私は2.の演者である京都大の中尾 一和教授とは初対面でそのお話に興味を特に引かれた。
もう既に何回か聞いているガイドラインであまり強い期待はしていなかったが、さすがに4人の専門家が一同に
揃って解説されると、内容は全く新鮮で、始めて聞かされる内容に変わっていたのには改めて感心した。
一流の専門家は同じ事は2度とは言わないという見本でした。
夜は懇親会が盛大にひらかれ、300人近い会員で埋まり、プリンスホテル自慢の数数のご馳走の山もつぎつぎ
消費されていく様はなかなかに壮観であった。
この日本臨床内科医会の学術講演と懇親会は毎年どこで開催されても実り多い。絶対に出席して損はしない、
有益な会であるのに、わが埼玉県からは毎年参加者が一けた台なのは本当に残念なことである。
皆さん、是非来年は出席して多いに勉強しかつ楽しんでください。
埼玉県内科医会からは以下の一般演題が発表され、いずれも多くの参加者の興味を引き、埼玉県内科医会の名を
高めて頂いた事に感謝する次第です。発表演題は以下のとうりです。皆様大変ご苦労様でした:
1.埼玉医大腎臓内科 池田先生
2.川口市内科医会 徳竹先生
3.大宮市内科医会 長谷川先生
4.越谷市 健身会 周東先生は3題
合計 7題を発表頂き感謝申し上げます。
大島 誠一