- 答 1 胸部X線写真正面像では右肺門部に肺動脈と重なって腫瘤状陰影が見られる。側面像では右S3領域の腫瘤状陰影が認められる。
- 答 2 胸部CT所見は右S3領域に境界明瞭な辺縁凹凸の腫瘤状陰影が見られる。喀痰
細菌検査、細胞診で異常は見られず、内視鏡下肺生検でも所見は認められない。
- 答 3 悪性腫瘍を示唆する所見はえられず、画像所見から過誤腫と診断した。
胸部CT所見(図3)

【過誤腫】肺良性腫瘍の中で最も頻度が高く(50%)、孤立性結節の約7%を占める。
成人型過誤腫は単発限局型で末梢型が圧倒的に多い。
類円形の境界明瞭な凹凸のある結節影が多く、基質成分の大部分は軟骨で、中心部小石灰
化、多発点状石灰化などpop corn様石灰化を示す。
腫瘤周辺の浸潤影や散布巣は見られない。結核腫や悪性腫瘍との鑑別が困難なこともあることも多い。
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