Case6-BrustAns

答　１　胸部Ｘ線写真正面像では、左上肺野および中肺野に境界鮮明な腫瘤状陰影、右下肺野にも同様な腫瘤状陰影が認められた。
答　２　胸部Ｘ線写真で腫瘤状陰影を示す疾患には、肺結核（結核腫）、肺腫瘍（肺癌、転移性肺癌、良性腫瘍）、肺膿瘍などがあり、それぞれの臨床症状を示すが、本症例では認めるべき臨床症状はない。Ｘ線の腫瘤影に向かっての流入および流出血管を認めれば肺動静瘻と診断される。肺動静脈瘻の診断は肺血管造影が確実な方法である。
　　（肺動脈造影像）
左Ｓ１＋２の径４㎝のＡＶＭ（arteriovenous malformation）には２本の流入血管と１本の拡張した流出血管が、他のＡＶＭは各１本の流入血管・流出血管が認められる。胸部ＣＴも有用である。動脈血ガス分析ではシャント率が２０％を越えるとチアノゼが現れる。
肺動脈塞栓術（ＰＡＥ）を施行した。　　　　動脈血ガス分析ではPaO2(torr) 52.0 PAE後 PaO2 77.0
答　３肺動静脈瘻。

肺血管造影像(図2)