【石綿曝露による呼吸器病変】
アスベスト曝露による呼吸器病変は@石綿肺A胸膜プラーク、
B肺癌,C悪性胸膜中皮腫D良性胸膜中皮腫などがある。
石綿曝露が高濃度の場合には石綿肺、低濃度の場合は胸膜プラークが10
年以上の潜伏期間をへて発生する。肺癌、悪性胸膜中皮腫はその発生はさ
らに10年以上の経過を要する。
石綿肺は塵肺症であり、病理組織はびまん性間質性肺線維症である。
胸膜プラークは壁側胸膜の局所性胸膜肥厚で
あり、通常生体に何等の障害も及さないが、石綿曝露の既往を示すもので
あり、悪性腫瘍発生の可能性を秘めている。
肺癌発生は重喫煙と重なると発生頻度が高いと言われている。
胸膜中皮腫は胸膜、腹膜、心膜、精巣鞘
膜などから発生するが、胸膜が最も多い。悪性胸膜中皮腫は肺癌より低濃
度の石綿暴露で発症し潜伏期間は肺癌より長い。予後不良である。
良性胸膜中皮腫では、肺癌や悪性胸膜中皮腫に比して潜伏期間は短く、約半数は
無自覚である。胸水は1年以内に消退するが胸膜癒着を残す。
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