平成17年度内科医会.内科専門医会合同カンファランス

 

今年で第2回目となる上記勉強会が県民健康センターで開催された。多数の出席者のうち、内科医会の会員の参加は昨年同様少数派であったのは

少し残念。

この合同のカンファレンスに提示される症例は大変に日常臨床上示唆に富んでおり、出席してよかったと感激すら覚える内容である。

来年は多数の内科医会会員の出席を期待します。

(この会は企業の後援を一切受けておらず、会員の会費で開催されており、費用は両者で折半しています。)

 

平成17630日、県民健康センター1階A 会議室  参加:45名。

総合司会、独協越谷病院内科、酒井良彦助教授。

 

症例報告:60才代、男性、』 さいたま赤十字病院(河本先生)提供。

主訴:せき、発熱

 

現病歴:昨年8月下旬から発熱、全身倦怠感、せき、喀痰出現.9月6日に救急外来。そこで右胸水とロイコチトーゼから肺炎と胸膜炎疑いで入院。

入院時、38.8Cの体温あり、また右下肢軽度腫脹あり。足背動触知。WBC,10500.RBC,563万。Hb,18.4g/dl

99日、胸部CTで多量の胸水。胸腔ドレーン施行。

種々検討の結果、肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症、膿胸、敗血症が疑がわれた。

CT像はL4~5から右大腿部にかけて血栓が完全に詰まっていた。

治療はクリアクターの点滴投与にて消失。

 

最終診断肺血栓塞栓症深部静脈血栓症プロティンc欠乏症

 

以上の結果、肺血栓塞栓症に関する懇切丁寧な解説が佐藤先生からなされ、引続いて

プロテインc欠損症についても同様、懇切丁寧な解説が木村先生から行われた。

以上の疾患についての判りやすい解説をこの要約に載せられないのは大変に残念である。

 

続いてデモ症例報告として『忘れてはならないエイズー 興味ある一例』の報告が行われた。

50台後半の女性で急性間質性肺炎を発症したHIVの一例」であり当初その診断に苦労した経緯を含め、最新の治験の解説と予後について

興味ある解説がなされた。

 

エイズは我国において依然として増加しており、薬剤の投与によって天寿を全う出来るまでに回復しうるまでにいたっている。

今後我々の日常診療においても常に頭の片隅に入れておくべき一般的な疾患となったのではないか。

 

最後にゲストスピーカーとして、米国内科専門医、感染症内科専門医の肩書きを持つ青木 真先生から感染症治療の原則的総論と詳しい各論および

免疫不全症に対しての対応について大変示唆に富むお話を拝聴し、予定時間を越え実り多い合同コンファランスを終えた。

 

最後にプロティンC欠乏症について解説して頂いた、防衛医大講師の木村 文彦先生、肺塞栓症解説のさいたま赤十字病院の佐藤 明先生と

開催の準備に努力された埼玉県内科専門医会幹事の斉藤 久雄先生および内科医会副会長の漆原先生がたのお骨折りに感謝もうしあげます。